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高性能自動車部品の偽造品対策:取り付け前に製品と包装を確かめる

整備工場に届いたブレーキキットを例に、メーカーが公開する製品情報と、包装のタグ、手元の部品を照合する仕組みを紹介します。

整備工場の受け入れ作業台で、未開封の箱に貼られたNFC封緘ラベルにスマートフォンを近づけている。横にはブランド表示のないブレーキディスクとキャリパーの見本がある。
AIで生成した利用イメージです。横に置いた部品は製品の種類を示す見本で、未開封の箱の内容物を示すものではありません。実際の導入事例の写真ではありません。 画像を拡大 ↗

高性能ブレーキキットが整備工場に届き、車のオーナーは取り付けを楽しみにしています。包装には見慣れたブランド名と型式が記載されています。それでも、作業を始める前に確認したいことは残ります。これはメーカーが出荷した仕様のキットなのか。注文した型式と合っているか。必要な部品が、正しい組み合わせでそろっているか。

部品が販売店やチューニングショップ、整備工場へと渡っていくほど、こうした確認はメーカーから離れた場所で行われます。メーカーには製造・出荷した製品の情報があっても、購入者がその情報を簡単に確かめられるとは限りません。自動車部品の偽造品対策では、包装の見た目だけに頼らず確認できるよう、メーカーが持つ情報を購入者まで届けることが大切です。

BrandGuardは、そのための安全なNFCタグ、オンライン検証サービス、購入者向けの製品情報ページを提供できます。まず導入を検討しやすい部品を取り上げ、その後、一組のブレーキキットを例に、メーカーが準備することと、購入者が実際に確認できることを見ていきます。

導入を検討したい部品と、その理由

高性能ブレーキキット、ターボチャージャー、ディーゼル用コモンレールインジェクターは、導入を優先的に検討しやすい製品です。ブランドと型式が重要であり、取り付けにも時間と費用がかかります。出所や型式の問題が取り付け後に分かれば、受け入れ時に確認できた場合よりも対応の負担は大きくなります。試験導入する製品を選ぶ際は、単価に加えて、ブランドの信用、流通経路、再作業の費用、取り付け前に包装を確認できるかも考える必要があります。

ブレーキ製品では、すでに購入者向けの真贋確認が行われています。例えば、Bremboの正規品確認ガイドでは、UPGRADE製品に付けられた固有のQRコードをBrembo Checkアプリで読み取る方法を案内しています。これはQRコードを使った仕組みですが、購入者自身が製品を確かめるサービスへの需要を示す例です。

ターボやインジェクターにも実例があります。BorgWarnerは2020年の発表で、偽造ターボに商標、番号、包装まで模倣されていると説明しました。DENSOは2021年に、偽造ディーゼルインジェクターの販売業者を相手とする訴訟結果を公表しています。これらは業界の独立した事例であり、BrandGuardの顧客事例ではありません。各社が当社のNFCシステムを使っているという意味でもありません。

ブレーキキットで考える:キャリパーが本物なら、キット全体も確かと言えるか

Bremboの偽造品に関するガイドには、純正キャリパーと別の出所の部品を組み合わせ、ブランドの純正キットとして販売する例が挙げられています。問題は、その組み合わせをどのような製品として説明し、販売しているかです。一つの部品に正しいロゴがあるだけでは、キット全体の出所までは確認できません。

では、自社のブレーキキットを守りたいメーカーは、何を購入者に伝えればよいのでしょうか。商品写真に加え、キットの型式、メーカーが確認した適合情報、同梱されるキャリパー、ディスク、付属部品の一覧があれば、手元の製品と具体的に照合できます。ここからは、このような製品にBrandGuardを導入する場合の例です。特定のメーカーで実施済みのプロジェクトを紹介するものではありません。

まずメーカーが、出荷前に一組ごとの製品情報を登録し、そのキットに安全なNFCタグを紐づけます。同じ型式のキットが10組あっても、それぞれに個体番号を設けます。購入者がタグを読み取ることで、同じ型式の商品すべてに共通する紹介ページだけでなく、自分が受け取った一組に対応する情報を確認できるようになります。

包装の開封も確認できるようにしたい場合は、開封検知に対応するNFC封緘ラベルを選び、箱の開け方に合わせて貼付位置を決めます。守りたい開口部をまたぐように貼ることが必要です。箱の表面にラベルを貼るだけでは、同じ役割は果たせません。

荷物を受け取った購入者は、どうやって確認するのか

整備担当者は箱を開ける前に、NFC対応のスマートフォンを包装のタグに近づけ、表示されたリンクを開きます。ブラウザーは最初にBrandGuardの検証サーバーへ接続し、BrandGuardが、タグから届く読み取りのたびに変わる認証情報を検証します。検証を通過すると、あらかじめ設定したメーカーの製品ページへ移動します。単に製品ページを開いたり、以前の検証画面を見せたりするだけでは、手元のタグを今回確認したことにはなりません。

そのページに設置したBrandGuard公式の検証表示欄に、対象製品、個体番号、検証時刻など、今回の結果が表示されます。開封検知対応のタグを使う場合は、封緘の状態もタグの検証結果とは別に表示します。その周囲にはメーカーが用意した部品一覧、写真、適合情報、問い合わせ先を掲載できるので、担当者は実物を見ながら順番に照合できます。

BrandGuardは、検証サービスにつなぐAPIと、結果を表示する公式コンポーネントを提供します。WordPressのサイトには当社のプラグインを利用でき、その他のサイトにはウェブサイト担当者が汎用コンポーネントを組み込み、設定とテストを行えます。メーカーがNFC検証のシステムを一から構築する必要はありません。表示の仕組みは、ブランド公式サイトへのNFC検証導入についての記事でも紹介しています。

適した製品ページがまだない場合は、メーカーから提供された内容を基に、BrandGuardが製品情報と検証結果を掲載するページを作成・ホスティングすることもできます。どちらの方法でも、製品写真、構成部品、適合情報の内容を確認するのはメーカーです。BrandGuardは、その情報を該当する製品と検証サービスにつなぎます。

手元の商品からブランドの公式サイトへ
  1. 安全な NFC タグを読み取る購入者が梱包のタグにスマートフォンをかざします。
  2. BrandGuard が今回の読み取りを検証認証サーバーが、この読み取りで得られた情報を確認します。
  3. ブランドの商品ページで結果を見る認証に成功するとページに移動し、公式コンポーネントが今回の結果を表示します。

事前にタグと個体情報を紐付け、ブランドの商品ページへの連携を設定する必要があります。この図は流れの説明であり、実際の認証結果ではありません。

検証結果を、取り付け前の判断に役立てる

ブレーキキットなら、確認を開封前と開封後に分けると分かりやすくなります。開封前には、今回のタグ検証が通っているか、ページの型式と個体番号が包装の表示と一致するかを確認します。開封検知を利用している場合は、開封や封緘の変化が表示されていないかも確認します。検証を完了できない場合や情報が一致しない場合は、取り付けを始める前にメーカーや供給元へ問い合わせます。

タグの検証は通っていても、包装に開封や変化があると表示された場合は、取り付けを始める前に供給元へ状況を確認できます。この表示だけで、誰が開封したかは分からず、偽造品と断定することもできません。ただ、見過ごしていたかもしれない包装の変化に気づき、詳しく確認するきっかけになります。

購入者が通常の手順で開封した後は、メーカーの部品一覧に沿って、実物の部品、型式、外観を照合します。例えば、実物のブレーキディスクの型式が一覧と異なれば、整備工場は写真と個体番号を供給元に伝え、取り付け前に確認できます。その際は包装や購入記録も残しておきます。タグの検証が通っていることを理由に、食い違いを見逃してはいけません。開封後も読み取りを続けられるタイプのタグなら、その後も照合に使えますが、正常に開封した後に封緘の状態が変わること自体は想定どおりです。

こうして購入者は、信頼できる購入先、メーカーが公開する個体ごとの情報、今回のタグ検証結果、包装や部品との一致という、複数の根拠を確認できます。ただし、NFC検証が部品の材質や制動性能を検査するわけではありません。箱の外の一枚のタグだけで、中のすべての部品が本物であると証明することもできません。車両への適合と取り付けについては、メーカーの説明に従い、専門の担当者が確認する必要があります。

メーカーの導入手順:まず一つの製品で、購入者の確認までをつなぐ

ブレーキキットで試すなら、まず実際に出荷している包装を一つ選び、購入者向けの情報を整理します。必要なのは、キットの型式、一組ごとの個体番号、部品一覧、参考写真、適合に関する説明、違いを見つけたときの連絡先です。メーカーは、購入者がページと照合できるよう、対応する型式と個体番号を包装にも表示します。照合用に公開する内容は、製品担当または品質担当が確認します。何を見比べればよいかが明確になって初めて、購入者がこの情報を使えるようになります。

次に、メーカーとBrandGuardでタグの種類と貼り方を検討します。梱包、貼付、出荷確認の各段階で、そのタグが該当するキットに正しく対応していることを確認します。開封検知を使う場合は、実際の包装で、通常どおり開けた後にどのような表示になるか、想定される開け方で封緘の変化を検知できるかを試します。金属部品が多い製品では、梱包した状態でスマートフォンから読み取れるかも確認が必要です。準備項目は、NFC偽造品対策ラベルの量産前テストについての記事も参考になります。

続いて、購入者が結果を見るページを選びます。公式サイトがあれば、該当する製品ページに公式の検証表示欄を組み込めます。WordPressを利用している場合は、BrandGuardの検証プラグインが選択肢になります。BrandGuardによるホスティングを選ぶ場合は、掲載する情報をメーカーから提供します。詳しい設定は案件に応じて調整できますが、購入者が製品情報、検証結果、問い合わせ先を迷わず見つけられることが大切です。

最後に、実際にタグを貼った包装を販売店や整備担当者に渡し、使ってもらいます。読み取る場所が分かるか。正しいページが開くか。封緘状態の表示を理解できるか。情報が合わないとき、誰に連絡すればよいか分かるか。こうした点を確かめてから他の型式へ広げれば、管理画面の登録確認だけで終わらず、購入者の手元で使えるサービスにできます。

ターボやインジェクターでも、取り付け前の確認とアフターサービスに役立つ

ターボチャージャーなら、メーカーが確認した型式、部品番号、個体番号、参考写真を中心に掲載できます。整備担当者は取り付け前にこれらを照合し、メーカーの適合情報と合わせて、選んだ製品が正しいかを確認します。疑問があれば番号を伝えてメーカーに問い合わせられるため、外箱の見た目や販売員の口頭説明だけに頼らずに済みます。

インジェクターなら、型式と個体番号に加え、新品なのか、メーカーが認める再生品なのかなど、どのような製品として出荷されたかを明確にできます。その情報を提供し、確認するのは供給元であり、NFCが自動で判定するわけではありません。正規の再生品は、それ自体が偽造品なのではありません。製品の状態を正確に伝えることは、新品と再生品などを区別せずに販売することを防ぐうえでも役立ちます。

購入者にとっての直接のメリットは、取り付けの時間と費用をかける前に、食い違いを見つけ、メーカーに確認する機会が増えることです。販売店や整備工場は、明確な製品情報を使って納入内容を説明できます。メーカーにとっては、同じ個体番号を取り付け前の確認と購入後の問い合わせに使えるため、どの製品について話しているかを共有しやすくなります。情報を何度も聞き直す手間の削減につながる可能性はありますが、保証の対象かどうかを自動で決めたり、すべてのトラブルを解決したりする仕組みではありません。

試験導入の効果を見るときは、購入者が実際に照合できたか、問題をより早く見つけられたか、メーカーが個々の製品の問い合わせに対応しやすくなったかを確認します。そこまでつなげることで、偽造品対策は納品とアフターサービスの一部になり、メーカーが製品に込めた品質への取り組みも購入者に伝わりやすくなります。

よくある質問

NFCによる偽造品対策は、高価な自動車部品だけに向いていますか?

一律の販売価格で区切る必要はありません。ブランドの付加価値、偽造品や誤った製品が届いた場合の損失、包装を確認しやすいか、導入・運用にかかる費用を合わせて検討します。高付加価値のブレーキキット、ターボ、インジェクターは優先候補になりますが、採用の判断は具体的な製品で試してから行います。

NFCタグは金属製の部品に直接貼る必要がありますか?

必ずしも必要ありません。取り付け前の確認が目的なら、まず製品の包装や封緘部分への貼付を検討できます。金属部品へ直接貼る場合や、車両への取り付け後も使い続けたい場合は、材料、構造、温度、耐久性、スマートフォンでの読み取り条件を別途評価する必要があります。

包装のタグ一枚で、箱の中のすべての部品を確認できますか?

タグ自体を検証し、メーカーがそのキットについて用意した情報を表示できますが、箱の中の各部品を個別に鑑定することはできません。購入者は部品一覧と実物を照合する必要があります。主要な部品をそれぞれ確認できるようにしたい場合は、部品ごとの識別表示と記録の方法も検討します。

まずは一つの部品で、購入者が確かめる仕組みをつくりませんか

製品の種類、実際の包装、現在の番号管理方法、購入者に確認してほしい情報をBrandGuardにお知らせください。タグ、検証ページ、試験導入の進め方を一緒に検討し、メーカーと購入者の双方が使える確認の流れを形にします。

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参考資料

  1. Brembo:正規品の見分け方と現在の確認方法
  2. Brembo:偽造ブレーキ製品と異なる出所の部品を組み合わせたキット
  3. BorgWarner:正規品と偽造品について(2020年)
  4. DENSO:偽造ディーゼルインジェクター販売業者への訴訟(2021年)