限定フィギュアを箱のまま大切に保管する人もいれば、開封してコレクションケースに飾る人もいます。いずれは別のコレクターへ譲ることもあるでしょう。発売元のブランドにとって共通する課題は、手にした人が公式情報を見つけ、そのフィギュアのバージョンや個体番号を確かめられるようにすることです。
確認の手がかりが箱にしかなければ、本体だけを飾っているときには不便です。そこで、設計や製造の段階から、耳や足など適した場所にNFCを組み込む方法もあります。コレクターは紙箱を探し直さずに、フィギュアそのものから検証ページへ進めます。組み込む位置を設計段階で検討すれば、キャラクターの外観にも配慮した方法を選べます。
BrandGuardは、デザイナーズトイの偽物対策に向けて、この二つの使い方に合うNFCタグと検証サービスを提供します。決まった箱の形に合わせた包装ラベルのほか、フィギュア内部のスペースや製造条件に合わせた、埋め込み用のNFCタグも設計できます。ここでいうNFCタグは、チップとアンテナを含む部品全体のことです。ここからは、限定フィギュアを発売するという想定で具体的な方法を紹介します。導入済みのお客様の事例ではなく、企画の参考となる活用例です。
コレクターが何を確かめたいのかを考える
あるデザイナーブランドが、青いフィギュアを300体限定で発売し、後日、同じ造形で色違いも展開するとします。073番を購入した人が知りたいのは、手元の青いフィギュアがどの発売分に当たるのか、番号は合っているのか、付属品はそろっているのか、そして、その情報がブランドから提供されたものかどうかです。商品全体を紹介するだけのページでは、一体ごとの疑問に十分答えられません。
パッケージそのものが、コレクションの一部になることもあります。例えば、StockXのコレクティブルに関する規定では、同サービスで販売するFunko Popフィギュアには、元の箱と内部の梱包材が必要とされています。この場合は、フィギュア本体だけでなく包装も確認の対象になります。すべてのデザイナーズトイを未開封で保管しなければならない、という意味ではありません。
そこで、ブランドはまず、何を識別したいのかを決めます。梱包された製品一式なのか、それとも箱から出して飾るフィギュア本体なのか。対象を決めたうえで、写真、カラー、サイズ、発売情報、個体番号をページに用意すれば、コレクターは手元の品と一つずつ照合できます。
箱の形が決まっているなら、包装と一緒にタグを設計する
シリーズで同じ箱を使うなら、タグの位置とサイズも共通化しやすくなります。Funko公式の標準サイズ用プロテクターは、その参考になる例です。標準サイズのPop!パッケージに対応しています。ただし、同ブランドの大型製品やセット商品まで、すべて同じ箱というわけではありません。
決まった形のパッケージを使う場合、BrandGuardは箱の面、ラベル用のスペース、封をする位置に合わせたNFCタグを設計できます。確認済みのタグ仕様を共通で使いながら、印刷はキャラクターごとに変えることも可能です。出荷前にタグと個体ごとの資料を対応させておけば、コレクターは一般的な宣伝画像だけでなく、手元の品に対応する情報を参照できます。
開封されたかどうかも確認したい場合は、開封状態の検知に対応するタグを選び、保護したい開口部をまたぐように設置します。コレクターは開封前に読み取ることで、今回のタグの検証結果と、封印の状態を別々に確認できます。ただし、確認できる封印の状態は、タグを設置した開口部についてのものです。箱のほかの部分も合わせて確認します。
自由に開け閉めできる保護ケースにタグを貼るだけでは、ケースと中のフィギュアが確実に対応する仕組みにはなりません。箱詰め、個体情報との対応付け、封印を、一連の出荷作業として設計することが大切です。なお、本文のFunkoとStockXは独立した業界の参考例であり、BrandGuardの導入先として紹介するものではありません。
NFCを内蔵し、検証の仕組みを製品の一部にする
例えば、先ほどのフィギュアの耳の内部に、小さなスペースを確保できるとします。製造時にそこへNFC部品を組み込めば、コレクターはスマートフォンを耳に近づけて検証を始められます。足など、ほかの部位でも同じ考え方が使えます。どこに収めるかは、キャラクターの造形、内部構造、使い方に合わせて決めます。
ブランド側でアンテナの形や部品の保護方法まで設計してから相談する必要はありません。製品の条件をBrandGuardにお伝えいただければ、アンテナ設計、材料選定、製造方法を検討し、その場所に合うNFC部品を開発できます。相談を始める際には、次の四つの情報が役立ちます。
一つ目は、使えるスペースの寸法です。チップ単体の大きさではなく、NFCタグ全体を収めるための長さ、幅、厚さをお知らせください。スペースが特殊な形であれば、構造図やサンプルがあると、アンテナとその保護材料も含めて収まり方を検討できます。
二つ目は、NFC部品が製造中に耐える必要のある最高温度です。どの工程でNFCを入れ、その後どのような温度にさらされるのかを、材料を選ぶ前に確認します。この条件をもとに、その製造工程に合う材料と加工方法を選びます。
三つ目は、材料のご希望です。NFC部品や、それを保護する材料についての要望に加え、周囲の耳や足などに使う材料もお知らせください。製造しやすさだけでなく、完成するフィギュアの形や構造にも合うように検討します。
四つ目は、目標とする読み取り距離です。コレクターはどこにスマートフォンを近づけ、製品の外側からどのくらい離して読み取りたいのか。その動作が分かれば、アンテナの設計と内部の配置を一緒に考えられます。読み取り距離は設計の目標として設定し、実際の構造を再現したサンプルとスマートフォンで確認します。すべてのサイズや材料で、同じ距離をあらかじめ約束するものではありません。
スペース、温度、材料、読み取り距離を確認した後、BrandGuardが設計とサンプル製作を進め、組み込んだ状態での読み取りをブランドと確かめます。NFCを製品の設計・製造段階から組み込んでおくことで、開封して飾った後も、コレクターはフィギュア本体からバージョンや個体情報を調べられます。
組み込む場所と、識別したい対象の関係も考えておきましょう。自由に交換できる付属品にNFCを入れた場合、その付属品を別のフィギュアに移しても、元の情報が読み出される可能性があります。本体を識別したいなら、その部位が本体にどう接続されるかも含めて設計します。包装の封印と本体内蔵のNFCを併用し、開封前の包装確認と開封後のコレクションの確認にそれぞれ役立てることもできます。その場合、どの情報をどちらに対応させるかは、プロジェクトごとに決めます。
スマートフォンをかざした後、何が表示されるのか
NFCの位置が決まったら、初めて手にする人にも読み取る場所を伝えます。耳の内部に組み込むなら、包装の説明や同封カードに、耳へスマートフォンを近づけることを示しましょう。コレクターはNFC対応スマートフォンを近づけ、表示されたリンクを開きます。包装ラベルを使う場合は、箱のどの位置を読み取るかを案内します。
ブラウザーは、まずBrandGuardの検証サーバーに接続し、今回読み取った情報の検証を受けます。ブランドの公式サイトに結果を表示する場合は、検証に成功した後、設定済みの商品ページへ自動的に移動します。そのページのBrandGuard公式パネルに、今回の検証結果が表示されます。BrandGuardは、ページに設置するこの表示機能と、その機能が利用する検証APIを提供します。WordPressサイトにはプラグインで導入することもできます。詳しくはブランドの公式サイトでの検証結果表示をご覧ください。BrandGuard側で情報ページを作成し、公開する方法も選べます。
この例なら、ブランドは青いフィギュアの写真、シリーズ名、サイズ、発売数、073という個体番号、付属品の一覧をページに用意できます。手元のフィギュアが緑色だったり、番号や付属品が一致しなかったりすれば、買い手は具体的な相違点を販売者やブランドに伝えられます。これらの情報を用意して管理するのはブランドです。NFCが造形や塗装、作品の出自を自動で鑑定するわけではありません。
タグの検証結果は、今回読み取った情報がBrandGuardの検証に通ったかどうかを示します。写真や個体番号は、買い手が実物を照合するための情報です。開封状態の検知に対応するタグを使う場合は、封印の状態も別に表示されます。開封して飾るのは通常の楽しみ方の一つですから、開封済みという表示だけで偽物とは判断できません。
後日、別の人に譲る場合も、新しい買い手が実物に組み込まれたNFCを改めて読み取れます。売り手が示す以前のスクリーンショットや古いリンク、ページの再読み込みは、新たな有効な検証にはなりません。公式情報を自分で確かめる手段になりますが、品物のコンディションや取引価格を自動で判定したり、一度読み取るだけで所有権の移転を登録したりするものではありません。
- 安全な NFC タグを読み取る購入者がフィギュアの NFC を内蔵した部位、またはパッケージのタグにスマートフォンをかざします。
- BrandGuard が今回の読み取りを検証認証サーバーが、この読み取りで得られた情報を確認します。
- ブランドの商品ページで結果を見る認証に成功するとページに移動し、公式コンポーネントが今回の結果を表示します。
事前にタグと個体情報を紐付け、ブランドの商品ページへの連携を設定する必要があります。この図は流れの説明であり、実際の認証結果ではありません。
NFTも提供するなら、実物との関係を明確にする
デザイナーズトイには、デジタルの作品を楽しむ入口を設けることもできます。例えば、ブランドが300体のフィギュアに対応するデジタルアートを企画したとします。実物の情報を見たコレクターは、自分の一体がどの作品に対応するのか、受け取る資格があるのか、どこで手続きするのかを知りたいはずです。NFTはブロックチェーン上に記録されるデジタルの証明として使われ、プロジェクトの設計に応じて、作品や定められた特典と関連付けられます。
そのような企画では、関連する情報ページに、ブランドが指定するNFTの案内やプラットフォームへのリンクを設ける方法があります。コレクターは実物の情報を確認した後、デジタルコレクションの手続きへ進めます。BrandGuardが提供するのは、実物のタグの検証と情報の表示です。NFTの発行、ウォレットの接続、受け取り資格、移転の仕組みは、ブランドと利用するプラットフォームが別途設計し、連携させる必要があります。NFCを導入すれば自動的にNFTが発行されるわけではなく、通常のオンライン製品情報ページも、それ自体はNFTではありません。
特に、売買や譲渡のときのルールは、発売前に決めておきたいところです。073番のフィギュアを売った人が対応するNFTを保有し続ければ、実物とデジタルの証明は別々の人の手に残ります。二次流通の買い手が何を購入することになるのか、NFTの移転は別に必要なのか、デジタル特典がすでに受け取られている場合はどう扱うのかを、ブランドが説明する必要があります。タグを読み取るだけでは、こうした引き継ぎは完了しません。
バージョンや個体番号を確認したい人には、検証ページだけでも役立ちます。その確認のために、最初からウォレットの作成を求める必要はありません。NFTは、関心のあるコレクターが作品をさらに楽しむ選択肢として考えられます。提供する内容や特典を具体的に説明し、将来の値上がりを約束するものにはしないことが大切です。
一つのシリーズから、実際の使い方を確かめる
すべての製品を一度に変更する必要はありません。まずは発売予定の一つのシリーズを選び、フィギュアの構造図やサンプルを用意します。包装ラベルを使うのか、本体にNFCを組み込むのかを相談しましょう。内蔵する場合は、使えるスペースの寸法、製造時の最高温度、材料の条件、目標とする読み取り距離が設計の出発点になります。BrandGuardは、その条件に合わせてアンテナ、材料、加工方法を検討し、コレクターに公開する個体情報もブランドと確認します。包装ラベルの外観や物理的な保護については、偽造防止用NFCラベルのカスタマイズも参考になります。
発売前には、企画に参加していない人にも一通り試してもらいましょう。正しい読み取り位置が分かるか、スマートフォンで読み取れるか、ページが手元のどの品に対応するか理解できるか、情報が合わないときにブランドへの連絡先を見つけられるか。NFTの企画があるなら、ページが開くことだけでなく、受け取りや転売時のルールも別に確認します。
こうして準備すれば、ブランドの説明を、開封時だけでなく、飾っている間や後日の取引にも届けられます。コレクターは売り手の説明だけに頼らず、フィギュアに組み込まれたNFCからブランドが用意した情報を確かめられます。限定シリーズのバージョンや個体番号には照合先ができ、問い合わせを受ける側も具体的な一体について話を進めやすくなります。NFCの価値は、こうしたコレクターが実際に使う場面で生まれます。
よくある質問
フィギュア内蔵のNFCを設計するには、どのような情報が必要ですか?
NFCタグ全体を収められるスペースの寸法、NFC部品が製造中に耐える必要のある最高温度、材料の条件、希望する読み取り距離をお知らせください。BrandGuardがアンテナ、材料、製造方法を検討し、サンプルを使って組み込み後の読み取りを確認します。
フィギュアを箱から出した後も確認できますか?
NFC部品が本体に組み込まれ、読み取り可能な状態であれば、開封後も所定の位置から読み取り、対応するブランドの情報を確認できます。包装の封印は包装を確認するためのものです。封印が開いているかどうかと、本体内蔵NFCの検証結果は別の情報であり、通常の開封だけで偽物と判断するものではありません。
NFCを導入すれば、フィギュアとNFTを自動で関連付け、一緒に譲渡できますか?
NFCは、実物のタグを検証し、関連情報やプロジェクトのプラットフォームへ進む入口になります。NFTの発行、受け取り、移転には別途設計と連携が必要です。フィギュアを新しい買い手に渡しただけで、NFTも自動的に移転するわけではありません。実物とデジタル特典をどう引き継ぐか、ブランドがルールを明確にする必要があります。
作品に合ったNFCの使い方を、一緒に考えませんか
NFCをフィギュアのどこに組み込みたいか、使えるスペースの寸法、製造時の最高温度、材料の条件、目標とする読み取り距離をお知らせください。BrandGuardがアンテナ、材料、加工方法を検討し、個体情報や検証ページと合わせて、製品に合う仕組みを設計します。
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