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NTAG® 424 DNAとNTAG® X DNAの違い:暗号認証・仕様・用途を比較

どちらも暗号技術を使う商品認証に対応しています。共通する機能と仕様の違いを押さえたうえで、商品ラベルから電池や機器との連携まで、用途別に比べます。

NTAG® 424 DNAによる商品の真贋確認と、NTAG® X DNAによる電池や機器の情報表示を比較する図。
どちらも商品とお客様をNFCでつなぐ選択肢です。機器の状態を表示する用途では、その機器から得られる情報に合わせてサービスを開発します。 画像を拡大

スマートフォンで商品ページを開けることと、商品の真贋を確認できることは同じではありません。NXP®のNTAG® 424 DNAとNTAG® X DNAは、どちらも暗号技術を使ってラベルを認証できるNFCチップです。認証サービスや適切なラベルと組み合わせることで、商品の確認と、使い方や保証などの情報案内を一つの体験にまとめられます。

両者の違いは、偽造品対策に使えるかどうかではありません。選べる認証機能、保存できる情報量、製品内部の電子機能とつなげるかどうかに違いがあります。ここではまず主な仕様を比較し、その違いが商品パッケージ、バッテリー、機器の保守といった場面でどう役立つかを見ていきます。

共通するのは暗号認証、違うのは機能の幅と製品とのつながり

NTAG® 424 DNAもNTAG® X DNAも、固定のウェブアドレスを開くだけのタグとは異なり、暗号技術によるラベルの認証に対応しています。ブランドはその結果に商品情報を組み合わせ、購入者が手元の商品を確認できるサービスを用意できます。ラベルを別の商品へ移されにくくする工夫も合わせて、実物の保護を考えます。

NTAG® X DNAでは、認証方法の選択肢が増え、チップに保存できる情報量も大きくなります。ただし、それだけでNTAG® 424 DNAを使う商品より安全になる、あるいはスマートフォンで速く読み取れる、という意味ではありません。真贋確認と商品案内が主な目的なら、NTAG® 424 DNAが適した選択肢になることも多いでしょう。

用途を広げる大きな違いが、NTAG® X DNAのI²C接続です。製品内部の電子機能とつなぐことで、例えばバッテリー側が把握している温度や残量を、スマートフォンで確認する用途を検討できます。製品の基本情報だけでなく、製品自身が持つ状態の情報も伝えたい場合に役立ちます。

主な仕様を比較

両チップの共通点と、選定に関わる違いをまとめました。用途との関係は、表の後で具体例とともに紹介します。

横にスワイプして表全体をご覧ください

比較項目NTAG® 424 DNANTAG® X DNA
製品認証に使える暗号機能AES-128AES-128/256に加え、ECC P-256による認証・デジタル署名
チップのセキュリティー評価Common Criteria EAL4Common Criteria EAL6+
NFCの周波数13.56 MHz13.56 MHz
NFCの通信規格NFC Forum Type 4/ISO/IEC 14443-4NFC Forum Type 4/ISO/IEC 14443-4
通常のNFC通信速度最大848 kbit/s最大848 kbit/s
チップのメモリ容量ファイル用に416バイト最大16 kB。利用できる容量は品種や設定による
I²Cによる機器との接続非対応対応品種で最大1 MHz。パッケージも確認が必要
電力の供給NFCの読み取り時に得る電力で動作。タグ用の電池は不要同様のNFC動作に対応。機器に組み込む用途では外部電源も利用可能
開封検知(TagTamper)通常版には非搭載。別製品のNTAG® 424 DNA TTで対応適したラベル構造と製品設計により対応

表はチップの仕様を比較したものです。セキュリティー評価もチップを対象としており、完成したラベルやサービス全体の性能を保証するものではありません。NTAG® X DNAのメモリやI²Cの利用条件は、採用する品種・パッケージごとに確認します。

メモリ容量はチップ内に保存する情報のためのもので、リンク先の商品ページに載せられる情報量とは別です。I²Cは機器の情報を取り込む用途で役立ちます。また、NFCの通信速度が同じでも、かざしてから画面が表示されるまでの時間が必ず同じになるわけではありません。

商品が本物かを確認し、そのまま使い方やサービスへ

購入した化粧品やお酒、衣料品が正規の商品なのか。お客様がその場で確かめられることは、安心して購入し、使い続けてもらうための大切な接点になります。NTAG® 424 DNAを使ったラベルなら、スマートフォンで読み取って商品の真贋を確認し、商品説明や使い方へ案内するサービスを構築できます。

例えば、スキンケア商品なら使う順番や保管方法、お酒なら産地や飲み方、アパレルなら素材とお手入れ方法へつなぐことができます。保証登録やお問い合わせの入口も用意すれば、購入時の確認で終わらず、購入後のサポートにも役立ちます。

商品認証と、分かりやすい情報案内が主な目的なら、NTAG® 424 DNAから検討するのがよいでしょう。NTAG® X DNAでも同様の用途を検討できますが、必要な体験が同じなら、チップの機能の多さだけで選ぶ必要はありません。

NTAG® X DNAなら、機器の状態を伝える用途にも

NTAG® X DNAの違いが生きるのは、製品の中にある情報を、お客様や担当者がスマートフォンで確認したい場合です。I²Cという接続機能によって、NFCと製品内部の電子機能をつなぐことができます。

例えば電動工具や電動自転車のバッテリー。製品側が把握している残量や温度を利用できれば、かざしたスマートフォンにそれらを表示するサービスが考えられます。小さな表示ランプだけでは分かりにくい状態も、数値や説明で確認しやすくなります。

ただし、チップを付けるだけで、どの電池でも温度や残量が分かるわけではありません。表示する情報は、電池側の管理機能などから受け取ります。NTAG® X DNA自体が温度を測定するものではなく、表示できる内容や更新のタイミングは、製品に合わせて決めます。

「この商品は何か」を案内することに加え、「この商品は今どのような状態か」「次に何をすればよいか」を伝えたい。そのような製品では、NTAG® X DNAを検討する価値があります。

電池以外では、どんな場面に使える?

設備の保守では、機器に記録された不具合の情報や使用状況を、点検担当者がかざして確認する使い方が考えられます。型番を探して手入力する手間を減らし、その機器に合った点検案内やサポート窓口へつなげられます。

浄水器や空気清浄機では、交換フィルターの識別に加え、本体で管理している使用状況をもとに、交換時期の目安を案内することが考えられます。お客様にとっては、買うべき交換品や交換のタイミングが分かりやすくなる点がメリットです。

プリンターや業務用機器の消耗品でも、同様に「この機器に使うものか」「どのくらい使ったか」といった情報を、製品側の仕組みと組み合わせて扱う用途があります。修理や交換の際に、対象を取り違えずに確認する助けにもなります。

一方、化粧品やお酒のパッケージで、真贋確認と商品情報の案内が中心なら、NTAG® 424 DNAがよく合います。NTAG® X DNAを使う場合も、電子機器に組み込む用途に限らず、ラベルとしてのご相談が可能です。

ここで紹介した機器連携の例は、個別開発で検討する用途です。表示したい情報を製品から得られるか、お客様がどの場面で利用するかを確認し、実際に役立つサービスに絞っていきます。

バッテリー、機器、消耗品で、製品が提供する状態や保守情報をNFCから確認する例。
カスタム開発で検討する用途の例です。表示する情報は、製品の機能と提供したいサービスに合わせて決めます。 画像を拡大

どちらもデジタル製品パスポートの入口に

デジタル製品パスポート(DPP)は、素材、使い方、修理、回収など、製品に関する情報を確認するための仕組みです。NFCを入口にすれば、お客様は製品にスマートフォンをかざして、必要な情報にたどり着けます。両チップとも、こうした使い方の候補になります。

NTAG® 424 DNAなら、商品の認証と合わせて、素材や原産地、お手入れ方法、修理の窓口などへ案内できます。長く使う衣料品や日用品でも、購入後に情報を見返しやすくなります。

NTAG® X DNAでは、製品側から得られる情報があれば、使用状況や状態の情報を加えることも検討できます。例えば、バッテリーの状態や機器の点検に必要な情報を、修理や再利用を判断する際の参考にする、といった用途です。

まず決めたいのは、誰に、どの情報を届けたいかです。チップだけでパスポートが完成するわけではないため、掲載する内容と、その情報を更新していく運用も含めて考えます。

自社の商品には、どちらを選べばよい?

お客様が商品を手に取り、本物かを確認し、使い方や保証の案内へ進む。これが主な目的なら、NTAG® 424 DNAから検討できます。買う前の不安を減らし、購入後のサポートまでつなげる、分かりやすい使い方です。

電池の状態、機器に記録された不具合、消耗品の使用状況など、製品内部の情報をスマートフォンで見せたいなら、NTAG® X DNAが候補になります。チップ名を先に決めるより、「お客様に何が見えると便利か」を具体的にすると、選ぶ理由がはっきりします。

開封されたことも分かるようにしたい場合は、チップだけでなく、封かんラベル全体を検討します。NTAG® 424 DNAの通常版とTagTamper(TT)版は異なるため、必要に応じてTT版も評価します。はがされた跡を残したい、別の商品へ貼り替えにくくしたい、といったご要望も合わせて相談するのがよいでしょう。

すでにNFCラベルを使っていて、現在のサービスで目的を満たせているなら、NTAG® X DNAへの変更を急ぐ必要はありません。新たに届けたい価値があるかを確認してから、ラベルとサービスを検討することが大切です。

BrandGuardへのご相談は、実現したい使い方から

BrandGuardでは、NTAG® X DNAを使ったカスタム開発に対応しています。まず詳しいご要望を伺い、製品と利用場面に合う形を一緒に検討します。

最初から技術仕様を用意していただく必要はありません。「電池の残量をスマートフォンで見たい」「交換部品を間違えずに選べるようにしたい」「修理の受付を簡単にしたい」といった、お客様や現場の困りごとからお聞かせください。

対象となる製品、利用する人、かざしたときに表示したい内容が分かると、検討が進めやすくなります。そのうえで、取り付け方やデザイン、予定数量などを相談し、試作と確認の進め方を決めていきます。

NTAG® 424 DNAとNTAG® X DNAのどちらが合うか迷っている場合も、BrandGuardへお問い合わせください。実現したい体験をもとに、必要な機能を整理します。

よくある質問

真贋確認が目的でも、NTAG® X DNAを選んだ方がよいですか?

必ずしもそうではありません。スマートフォンでの真贋確認と商品情報の案内が中心なら、NTAG® 424 DNAが適した選択肢になります。製品の状態を伝えるなど、新たに実現したい用途がある場合にNTAG® X DNAを検討するとよいでしょう。

手持ちの電池にラベルを貼れば、温度や残量が分かりますか?

貼るだけでは分かりません。電池側で管理している情報を利用するため、その製品に合わせた開発が必要です。表示したい内容を伺い、利用できる情報を確認してから検討します。

まだチップを選んでいなくても相談できますか?

はい。商品の種類と、スマートフォンをかざしたときに何を見せたいかをお知らせください。BrandGuardが用途を整理し、チップやラベル、必要なサービスを検討します。

NTAG® X DNAのカスタム開発は依頼できますか?

はい。BrandGuardでは対応しています。対象製品や利用場面、表示したい情報など、詳細を先に伺います。その内容をもとに、開発範囲と試作の進め方をご相談します。